印象材
こんにちは、マス歯科医院の技工室です。
今回は、アルジネート印象材についてのお話です。
お口の中の型採りに使用する印象材には大きく分けて2種類あります。
アルジネートというピンクの柔らかい材料と、シリコンゴムを使った弾力のある材料です。
現在、歯科診療で最も使われている印象材は、アルジネート印象材です。
歯科治療を受けるうえで、1度はあのピンクの材料で型採りをした経験があると思います。
あの感触が少し苦手な方もいらっしゃるかもしれません‥
アルジネートの主成分は、アルギン酸ナトリウムと石膏です。
『アルギン酸ナトリウム』とは、聞きなれない成分かと思いますが‥実は海藻なのです!
海藻からとれる成分で、他にも人工イクラの原料や、かまぼこにも使われています。
アルジネート印象材は、費用も安く、扱いやすいため歯科診療で最も使われている印象材ですが、歯の凸凹した細かい部分はなかなか再現が難しい為、より正確な型が採れるように精度の高い寒天と一緒に使用します。
また、アルジネート印象材は、扱い方によって大きな変形が起こってしまいます。
特に型採り後、どの様に保管するかで精度のに大きく影響します。
印象材の練和、型採りにもいくつかポイントがあります。
これらは、担当している歯科医師、衛生士、助手のテクニックを頼り、技工室では患者様の口から型採りした後を責任を持って担当しています。
アルジネート印象材で型採りした後、速やかに石膏を注ぐ必要があります。
アルジネート印象材を空気中においておくと、印象材の水分が乾燥して干からび、収縮してしまうからです。
マス歯科医院では、診療時に”印象採ったよコール”でチェアサイドと連携し、湿箱を用いて印象材の乾燥、変形を防いでいます。
また、訪問診療時など、すぐに石膏が流せない状況に応じては、訪問チームお手製の湿箱タッパーを使用し、型採りした印象材が乾燥してしまわない様に工夫しています。
この様に、材料の性質や扱いをしっかり理解することも良い技工物を製作するうえで大切な事だと思い、活かしていきたいと思います。
マス歯科歯科技工室部門