虫歯予防について。
- むし歯予防の基本はまず歯磨きと糖分の制限です。
さらに効果があるのはフッ素!
フッ素についてはこちらのブログでも何度か登場してきていますね。
では、それ以外に出来ることはなにかあるでしょうか??
岡山大大学院医歯薬学総合研究科の調査で、こんなことがわかりました。
むし歯がある妊婦さん100人をふたつのグループにわけ、ひとつのグループにだけ、キシリトール100%配合のガムを習慣的に噛んでもらったのです。
結果、キシリトールガムを噛んでいなかったお母さんのお子さんは、91%以上が、むし歯菌に感染してしまいました。
一方、お母さんがキシリトールガムを噛んでいた子供のむし歯菌感染率は50%以下だったのです。
キシリトールは白樺の木などから抽出される天然甘味料で、むし歯菌の大好物である砂糖の糖分とは反対に、むし歯菌の活動を抑制し、唾液の分泌を促し、歯にプラークをつきにくくしてくれます。
フィンランドでは、妊婦さんはキシリトールを積極的に摂取するそうです。
さて、キシリトール配合のガムですが、この研究で使われているのは甘味料として100%キシリトールを使用した歯科専売のものです。(当院でも販売中!)
50%以上キシリトールが使われているのであれば効果が期待できるとされていますが、市販品ですとキシリトールだけでなく砂糖も入っているものがあるため、注意が必要です。
ではシュガーレス(もしくはノンシュガー)って書いてあれば砂糖は入っていない??
答えはノーです。
シュガーレス・ノンシュガーと書いてあっても砂糖が全く入っていないという意味ではないのです。
1996年5月24日までは次のように区別されていました。
●「シュガーレス」
食品に砂糖(ショ糖)や果糖、ブドウ糖や麦芽糖などむし歯の原因になる糖を含まない。
●「ノンシュガー」
食品に砂糖は使用されていない。しかしブドウ糖や麦芽糖、水飴などは20%程度使用は可。
なので昔はシュガーレスを選んでいれば大丈夫でした!
しかし…
1996年に栄養改善法が改正され、1996年5月24日から1998年3月31日は猶予期間とされていましたが、1998年4月1日から次のように義務づけられました。
●「シュガーレス」=「ノンシュガー」
食品に含まれる単糖類・二糖類が0.5%以下である。
単糖類・二糖類とはブドウ糖、果糖、ガラクトース、蔗(砂)糖、麦芽糖、乳糖などで、むし歯の原因となる糖のことです。
0.5%以下なのでわずかな量ですが、ゼロではないのです。
以上のことから、キシリトールガムでの虫歯予防をされる場合、やはり歯科専売のキシリトール100%のものが1番オススメです。
しかしお近くでご購入できない場合やいろいろなお味を楽しみたい方は、こちらのマークを目安に探してみてください。
「特定保健用食品(トクホ)マーク」
「歯に信頼マーク(トゥースフレンドリーマーク)」
トクホはよく見かけますよね。
このマークがついていて、かつ、歯に良いという内容の文言があればOKです。
虫歯の原因になりにくい食品であることや、歯の健康維持に役立つ食品であることを食品全体をテストした上で審査し、認めたことを示しています。
歯に信頼マークはこちらの歯が傘をさしているマークです。
国際トゥースフレンドリー協会が指定する試験機関でテストが行われ、その製品を食べてから30分以内に歯垢のpHが5.7以下にならないかどうかを調べています。(歯はpH5.5以下になると溶け出します)
原料の一部がむし歯予防に効果があるかどうかではなく、その食品全体を評価しているので安心して楽しめます。
歯磨きやフッ素だけでなくもっと頑張りたい方や妊娠中の方、ぜひキシリトールガムでもうワンランク上の虫歯予防をしていきましょう❣️
マス歯科歯科医師部門