入れ歯と酒気帯びについて
あけましておめでとうございます。
マス歯科医院の技工室です。
年も明けて皆様も良いお正月を迎えられましたでしょうか?
今年は、コロナ禍で忘年会や新年会などをやられないという方が多いとは思いますが、今回のブログ内容は、お酒を飲んでいないのに酒気帯びになってしまうケースというのがありましたので、ご紹介したいと思います。
結論から話してしまいますと、酒気帯びになってしまった原因は入れ歯安定剤になります。
事件の内容としては、
◎逆転無罪 入れ歯剤影響か
(前略)
弁護側への取材などによると、2015年3月に浜松市で、5月には静岡市で乗用車を運転し、県警の呼気検査を受けた。いずれも呼気1リットル中のアルコール濃度が酒気帯び運転の基準となる0.15ミリグラムを超え、道交法違反の罪で起訴された。
「朝使った入れ歯安定剤にアルコールが含まれていた」などと無罪を訴えたが、昨年4月の一審判決は、2度とも前夜に飲酒していたことなどから有罪と認定。別に起訴された暴行罪と合わせ、懲役一年、執行猶予3年を言い渡した。
控訴審では、入れ歯と歯茎の間からはみ出た安定剤を、指で取り除いたという主張通りに再現実験した結果、呼気から酒気帯び運転の基準値以上のアルコールを検出。高裁は、口内に残った安定剤が呼気検査に影響を与えた可能性を「否定できない」として一審判決を破棄。判決は7月に確定した。
というような内容になります。
上記のような事件を踏まえて、じゃあ、どんな入れ歯安定剤ならアルコールが検出されないのかという疑問が生まれると思います。
入れ歯安定剤には、粘着タイプとクッションタイプの2種類があります。
粘着タイプは、入れ歯にほとんどガタつきがない場合の使用に適しており、クリームタイプが一般的です。
クッションタイプは、入れ歯と歯茎の間の隙間が大きくてガタついている場合の使用に適しています。隙間を埋めて、入れ歯と歯茎の密着度を高め、ガタつきをなくします。
アルコールが入っているのはクッションタイプです。簡単にご説明するとアルコールには、クッションタイプの主成分であるゴムを柔らかくする働きがあり、現状では、アルコール抜きで製品を作ることはできないようです。
もし、入れ歯をお使いの方がクッションタイプの入れ歯安定剤を使用されているのであれば、そもそも患者様のお口の中で合ってない可能性があります。
もしそうであれば、義歯を新しく新製するか、当医院で修理をさせていただきたく思います。
お気軽にご来院してください。
今年からも変わらず、マス歯科をよろしくお願い致します。
マス歯科技工士部門