お家での口腔ケア=セルフケアについて
今回はお家での口腔ケア=セルフケアについてお話しします。
皆さんはスウェーデン型プラークコントロールをご存知でしょうか?
口腔環境を整え、歯を守るためには、歯科医院での定期検診とともに、セルフケアが重要です。
日本では、「口腔内全体をまんべんなく磨く」のが一般的なセルフケアです。
一方、スウェーデンでは「リスク部位に注目したプラークコントロール」が行なわれています。
プラークコントロールとはお口の中のプラーク(歯垢)の量を減らすことで、お家でのプラークコントロールは歯磨きです。
なぜスウェーデン型かというと…
スウェーデンは予防歯科の先進国で、世界の中でも歯科疾患の少ない国と言われています。
しかし、1970年代にはむし歯の罹患率は多かったようです。
当時、開業医だったアクセルソン博士はむし歯や歯周病は決まった部位にできやすく、
年齢・性別問わず共通していると気づき、
「プラークが溜まりやすく、むし歯や歯周病になりやすい部位を集中的に清掃すれば、歯を守ることができるのではないか?」
と考えて30年間の臨床研究を行いました。
その結果、30年間で失われた歯の本数は平均0.6本、97.7%の確率で歯を守れることを立証しました。
スウェーデン型プラークコントロールで具体的に意識されているのは以下の3つです。
●患者さんが自分のリスク部位を知る
●リスク部位に合わせた道具でケアする
●リスク部位から先に磨く
この方法を取り入れると、磨く時間は普段の歯磨きと変わらないのに、プラークの落ち方は劇的に変化します。
共通してプラークが溜まりやすいリスク部位には臼歯隣接面(歯と歯の間)や
歯肉縁下(歯周ポケットの中)、歯並びの内側の歯の根元などがあります。
それ以外にも、歯並び・歯の形・被せ物の種類・磨き癖など、人それぞれ異なるリスク部位があります。
当院では、プラーク染色剤による染め出しを行い、患者さんにご自身のリスク部位を知って頂いたうえで、
そのリスク部位に適した口腔ケアをご指導させて頂いています。
リスク部位を意識してケアをすれば清掃効率は上がります。
ぜひ、来院して頂き
ご自身のリスク部位をチェックしてみませんか?